■インターアクション・カウンシル(OBサミット)メンバー


ジャン・クレティエン

インターアクション・カウンシル共同議長

1993ー2003年カナダ首相

1934年生まれ。1958年ラヴァル大学卒(ラテン語法律有資格LL.L.)、1967│68年無任所大臣、1968年国家歳入大臣、1968│74年原住民問題・北部開発大臣、1967ー77年通商産業大臣、1977ー79年財務庁長官、1982ー84年エネルギー・鉱業資源大臣、1984年副首相兼外務大臣


フランツ・フラニツキー

インターアクション・カウンシル共同議長

1986ー97年オーストリア共和国首相

1937生まれ。1969年ウィーン大学経営・経済学部ビジネス学科博士号、1984ー86年財務大臣、1988ー97年オーストリア社会民主党首、ソーシャリスト・インターナショナル副議長


ヘルムート・シュミット

インターアクション・カウンシル名誉議長

1974ー82年西ドイツ連邦共和国首相
1918ー2015年。ハンブルク大学理学修士、1967ー69年ドイツ下院社会民主党(SPD)議長、1968ー84年SPD副党首、1961ー65年ハンブルク州政府内務相、1961ー65年国防相、1972年経済・財務相、1972ー74年財務相


マルコム・フレーザー

インターアクション・カウンシル名誉議長

1975ー83年オーストラリア連邦首相

1930ー2015年。オックスフォード大学修士、1955ー83年国会議員、1966ー68年陸軍相、1968ー69年教育科学相、1969ー71年国防相、1971ー72年教育科学相、1975年野党党首


福田康夫

2007ー08年日本国首相

1963年生まれ。早稲田大学学士、1990ー2012年衆議院議員、2000ー04年内閣官房長官、2000年沖縄開発庁長官、2001ー04年内閣府特命担当大臣(男女共同参画担当)、ボアオ・アジア・フォーラム(地政学シンクタンク)理事長


アンドリース・ファン・アフト

1977ー82年オランダ王国首相

1931年生まれ。1956ー58年法廷弁護士、1968ー71年ナイメーヘン大学刑法学教授、1971ー73年法務大臣、1973ー77年法務大臣兼副首相、1977年国会議員、キリスト教民主アピール党(CDA)党首


シーク・アブドゥルアジィズ・アルクライシ

1974ー83年サウジアラビア中央銀行総裁

1930年生まれ。南カリフォルニア大学経営学修士、1970ー74年国務大臣、1978ー96年サウジ国際銀行ロンドン会長、1978年よりサウジアラビア中央銀行金融理事会理事、1994ー2012年米国│サウジアラビア・ビジネス・カウンシル共同議長


トゥン・アブドゥラ・ハジ・アーマッド・バダウィ

2003ー09年マレーシア首相

1939年生まれ。1964年マレイシア大学イスラミック研究学士、1981│八四年首相府内務大臣、1984ー86年教育大臣、1986ー87年国防大臣、1991ー99年外務大臣、イスラム理解のためのマレーシア研究所の創設者であり会長


ヴァレリー・ジスカール・デスタン

1974ー81年フランス共和国大統領

1926年生まれ。1952年理工科学院・国立行政学院卒、1956ー 74年ピュイ・ド・ドーメ副市長、1959ー62年金融担当長官、1962ー66年経済財政相、1967ー74年、1982年シャマリエレス(ピュイ・ド・ドーメ)市長、欧州連合創設、欧州金融システム(1986年シュミット首相と共に)創設、先進国首脳会議(サミット)創設等に尽力


アブデル・サラム・マジャーリ

1993ー95年、1997ー98年ヨルダン・ハシミテ王国首相

1925年生まれ。1949年シリア大学(ダマスカス)医学博士、1953年ロンドン王立外科医大学咽頭耳鼻学科修士、1969ー91年健康相、1971ー76年ヨルダン大学(アンマン)学長、1976ー79年教育相、1970ー71年、1976ー79年外務相、イスラム世界科学アカデミー代表


オルセグン・オバサンジョ

1976ー79年、1999ー2007年ナイジェリア連邦共和国大統領

1937年生まれ。ナイジェリア陸軍司令官、第二師団司令官、イバダン陸軍守備隊、1970年第三海兵司令官として市民紛争を解決、1975年工兵軍団長、1975年副大統領、1976年大統領、1988年アフリカ・リーダーシップ・フォーラム設立、2005年ベルス技術大学創立


ジョージ・ヴァシリュー

1988ー93年キプロス共和国大統領

1931年生まれ。ブタペスト経済大学経済学博士号、1996ー99年国会議員、1998ー2003年EU加入調和プロセス・キプロス共和国交渉チーム最高責任者


■宗教および神学指導者


ハムザ・アル・サレム

プリンス・サルタン大学経営学部教授(サウジアラビア)、アレクサディア、アルジャジーラのコラムニスト

1996年アム・オル・クラ大学( マッカ) 学士、2002年経済経営管理学修士、2005年クラーク大学経済金融財政博士号、2010年オックスフォード大学イスラミック研究サウジ・オックスフォード先進管理・リーダーシップ・プログラムおよび、2005年南カリフォルニア大学客員教授


張信剛

北京大学名誉教授、魯迅研究主任教授

1940年生まれ。1962年国立台湾大学土木学理学士、1964年スタンフォード大学構造エンジニアリング修士、1969年ノースウェスタン大学バイオメディカル・エンジニアリング博士号、1969ー76年ニューヨーク州立大学助教授、1976ー84年マックギル大学教授、1984ー90年南カリフォルニア大学教授、1990ー94年香港大学エンジニアリング学院院長、1994ー96年ピッツバーグ大学エンジニアリング学部長、1996ー2007年香港市立大学教授・学長、2008年より北京大学魯迅講座名誉教授


フリードリッヒ・ヴィルヘルム・グラフ

ルートヴィッヒ・マクシミリアン大学(ミュンヘン大学)プロテスタント神学部システマティック神学・倫理学正教授

1948年生まれ。1972年ミュンヘン大学神学博士号、1986年オーフス大学(デンマーク)神学博士号、アウクスブルク大学システマティック神学・神学近代史教授、1992ー96年ハンブルク大学プロテスタント神学・社会倫理学部長、1996ー99年アウクスブルク大学プロテスタント神学教授、1998ー99年エアフルト大学マックス・ヴェーバー・センター特別研究員、1999年より現職、2000年より聖学院大学(東京)客員教授


シャイク・ムハンマド・アル・ハバシ

アブダビ大学イスラミック・アラビック研究所准教授

1962年生まれ。1968年ダマスカス大学イスラム学法学士、1987年イスラミック・コール大学イスラム研究学士、1988年ベイルート大学アラビック教育学士、1992年カラチ大学イスラム研究修士、1996年聖クルアーン│ ハルツーム大学クルアーン科学博士号、1988ー2002年ダマスカス・イスラミック・コール大学科学・イスラミック文化教授、1992年よりダマスカス・イスラミック研究センター部長、2003ー12年シリア国会議員


カーク・O・ハンソン

サンタ・クララ大学応用倫理学マックラ・センター常任理事および社会倫理学教授

1946年生まれ。スタンフォード大学経営大学院経営学修士、ハーバードおよびエール神学スクール研究特待生、23年間スタンフォード経営大学院スタンフォード・スローン・プログラムの学部長としてビジネス倫理を教えた後現在名誉教授、現在北京インターナショナル・ビジネス倫理センター長


ゴラマリ・コシュロー

「文明間対話」におけるハターミー大統領の特別顧問、駐国連イラン大使

テヘラン大学(イラン)、ソーシャル・リサーチ・ニュースクール(ニューヨーク)、1989│九五年国連イラン大使、1999ー2002年学術研究・教育副外務大臣、駐オーストラリア大使、2002ー05年イランIR法務・国際問題副外務大臣


マノ・メタナンド・ラオハヴァニッチ

チュラポーン国際医科大学、タンマサート大学インド研究センター講師

1956年生まれ。チュラーロンコーン大学理学士(医学)、医学博士、オックスフォード大学イデオロギー学士・修士、ハーバード大学神学修士、ハンブルク大学タイランド研究瞑想治療法博士、チュラポーン国際医科大学・タンマサート大学倫理委員会議長、1982ー2007年仏僧、タイ上院議員倫理・道徳・美徳サブコミッションのメンバー


アブダル・ムクティ

ムハンマディヤ(インドネシアの最大近代イスラミック組織)本部事務局長、インドネシア・スマラン・ワリソンゴ国立イスラミック研究室(IAIN)名誉教授

1968年生まれ。1992年ワリソンゴ国立イスラミック研究室優等学位、1997年南オーストラリア・フリンダース大学医学博士、2008年ジャカルタ州立イスラミック大学医学博士、2005ー10年インドネシア・ムスリム・インテレクチュラル・ナショナルボード・アドバイザー、2005年よりブリティッシュ・カウンシル・アドバイザー


ナイフォン・フィリッポポリス副大主教

モスクワ・アンティオック総主教代表

1941年レバノン生まれ。1959年ハイガジアン大学
(ベイルート)卒業後僧籍入り、一九六四年ザーレおよびヘリオポリスのメトロポリタン大主教秘書官、モスクワ・セオロジカル・アカデミー神学士、1977年修道院長としてモスクワに移転、2009年フィリッポポリス主教に選任、アンティオキアのパトリアーキ大主教に選任


大谷光真

浄土真宗本願寺派(先代)門主

1945年生まれ。1968年東京大学宗教学科およびイ
ンド哲学学士、1971年龍谷大学真宗学修士、1974年東京大学宗教学科およびインド哲学修士、1960年得度、1970年浄土真宗本願寺派新門就任、1977年浄土真宗本願寺派第24世門主就任、1978ー80年、2002ー04年第13代・第18代・第25代全日本仏教界会長


ラビ・ジェレミー・ローゼン

編者、学者、元カーメル・カレッジ学長、ペルシャ・ユダヤ・コミュニティ(マンハッタン)ラビ

1942年生まれ。1965年ケンブリッジ大学哲学学士、1969年ケンブリッジ大学修士、1984年ベン・グリオン大学博士号、1968年│ラビ、1971ー84年カーメル・カレッジ学長、1984年ベン・グリオン大学、WUJSセンター・アラド大学院(イスラエル)客員教授、1985ー91年ロンドン・ウエスターン・シナゴーグ(ユダヤ教教会)ラビ、1991年よりF.V.G.比較宗教学部教授および学部長(ベルギー)


アミン・サイカル

オーストラリア国立大学公共政策学科教授、アラブ・イスラム研究所(中東および中央アジア)所長

1944年生まれ。プリンストン大学、ケンブリッジ大学、開発研究機関、サセックス大学各客員フェロー、ロックフェラー財団国際関係フェロー、2013年オーストラリア社会科学アカデミー(ASSA)フェロー


シュテファン・シュレンソグ

チュービンゲン大学グローバル倫理研究所最高責任者、グローバル倫理財団理事長

1958年生まれ。2006年神学博士、30年間ハンス・キュング教授の協力者および学術スタッフの一員として尽力、“Tracing the Way” のマルチメディア・プロジェクトの学術アドバイザー、“A Global Ethic now!” のインターネット学習プログラム開発アドバイザー



シュリ・シュリ・ラヴィ・シャンカール

アート・オブ・リビング(国連ECOSOCの特別支援による教育と人道に関わるNGO)および人間的価値に関わる国際協会の創立者

1956年生まれ。マハトマ・ガンディーの近しい友人であるAndit Sudhakar Chaturvedi に学ぶ、ベーダ語文学の学者、近代科学学位取得、一九八一年アート・オブ・リビング設立、人間的価値に関わる国際協会設立、スリランカ・イラク・象牙海岸・カメルーン・カシミール・ビハールその他の紛争地域における平和交渉や助言に従事


アリフ・ザムハリ

ナードラトゥール・ウラマー(インドネシア世界最大のムスリム組織)指導者

1972年生まれ。1995年スマン・アンペル・マラングの州立イスラム研究専門学校学士、1998年西スマトラ州立イスラム研究イマーム・ボンジョル大学イスラム思考教育学修士、2007年オーストラリア国立大学アジア・パシフィック校博士号、ジャカルタUIN神学講師、2008│一一年IAINスナン・アンペル・スラバヤ大学院講師、2009年よりインターナショナル・ディヴィジョン・オブ・インドネシア、マハド・アル講師


ポール・M・チューレナー

1939年生まれ。インスブルック・ウィーン・コンスタンツ・ミュンヘン各地で1961年宗教社会学の博士号、一九六五年神学博士号、1964年ウィーン管区監督、1973年牧師神学・牧師社会学の大学教授資格取得、1974ー84年バマーク、パッサウ、ボン、ザルツブルク各大学で教職、1984ー98年ザルツブルク牧師神学大学学長、1985ー2000年欧州司教協議委員会議長の神学アドバイザー、ウィーン精神神学研究所教授、カトリック神父


■OBサミット事務局長


トーマス・アックスウォージー

ウォルター&ダンカン・ゴードン財団(カナダ)

1947年生まれ。1990ー2003年ハーバード大学ジョン・F・ケネディ政治学大学院、1999ー2005年カナダ歴史財団常任理事、2001ー06年カナダ・アジア太平洋財団理事長、2003ー10年クィーンズ大学民主主義研究センター長、2011年よりトロント大学マッシー・カレッジ上級研究員、2010年よりトロント大学世界情勢ムンク・スクール特別上級研究員


■論文提出者


ハンス・キュング

チュービンゲン大学名誉教授、グローバル倫理財団顧問
(スイス)

1928年生まれ。グレゴリアン大学(ローマ)で哲学と神学を学ぶ、ソルボンヌ・カトリック神学院(パリ)、1960ー96年グローバル倫理財団会長、チュービンゲン大学世界教会主義研究所所長、世界教会主義神学教授、1962ー65年ニューヨーク、ベーゼル、シカゴ、アナーバー(ミシガン州)、ヒューストン(テキサス州)各地で客員教授、ヨハネス23世教皇が指定する第二ヴァチカン公会議の公式神学コンサルタント


杜維明

ハーバード大学儒教学名誉教授、北京大学名誉教授

1940年生まれ。1961年東海大学(台湾)学士、1963年修士、1968年博士号、ハーバード大学、1967ー71年プリンストン大学、1971ー81年カリフォルニア大学バークレー校教授、北京大学・台湾大学・香港中文大学・パリ高等研究実習院教授も歴任、一九八一年よりハーバード大学研究教授、浙江、中山、蘇州、中国人民各大学の名誉教授

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原文編集者後書

ラビ・ジェレミー・ローゼン
2014年12月


 倫理のような高貴で膨大なテーマの議論に、一体どのような正当性があるのだろうか。それは、高貴な追求ではあっても、同時に強烈な挫折感としばしば絶望をもたらす。人間は関与する全て、母なる大地すらをも破滅させる能力を持っている。そして、文化と宗教の多様性と広がりを考慮すると、どのような合意、ましてや全員一致を達成するという希望などどうして抱けるのだろうか。

 私は、インターアクション・カウンシル(OBサミット)主催のウィーン会議に出席する前、こうした疑問に悩まされた。しかし、多くのチャレンジを克服しようとする全ての参加者のあきらかな善意と未来志向を知って、私は驚喜した。こうした参加者たちに対する敬意から、私は会議の議事と提出論文、さらにこのテーマに関する過去成果物の編集作業を引き受けた。それは、ウィーンでの私たちの努力とOBサミットのこの深遠な分野における活動を記録として残すためであった。

 私の意図は善意だった。しかし、討論を文章に書き起こす際、必ずしも発言者の意図が正しく反映されていないかも知れない。同様に、議論の場に居合わさなかった読者にとって、より分かりやすくするために、不明瞭な文章や節を編集することで、著者が望んだような表現になっていない場合もあるだろう。

 これらの誤りに対し、私は完全に責任を負い、私が犯したかもしれない非礼について心底から謝るものである。誰かを不愉快にすることなど私の念頭にはなかった。私の唯一の意図は、発言者たちの中心的メッセージを理解しやすく、彼らが伝えたかったことの本質を文章にすることだった。私は、老ヒレルの次の言葉「平和を愛し、平和を追求し、人類を愛し、彼らを真実に近づけなさい。」の真髄を皆が真に望んでいるものと信じている。


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訳者後書き

インターアクション・カウンシル
渥美桂子
2016年3月1日


 「こういうことをしたいから、手伝ってもらえないか」と故福田赳夫元総理からOBサミットにお誘い頂いたのは、1982年の秋でした。私の人生後半は、世界の多くの指導者たちから直接学習できる機会を与えられた、感激・感動に彩られたありがたき半生でした。

 この30猶予年、多くの優れた20世紀の指導者たちが逝去されました。そうした方々の教えとご恩に報うためにも、と福田康夫元首相から、最後の宗教間対話の企画・運営をご依頼されたのが、2013年の秋でした。未だISの国家宣言はありませんでしたが、宗教を巻き込む戦争は頻繁に世界のいたる所で発生しており、有識者たちは今日の惨状を予想しておられました。

 この会議を最も望んでいらしたのがドイツの故シュミット首相でした。そして同首相は会議終了後に「対話の内容を記録として残しておくように」と嘱望され、私たちは昨年英語版を出版いたしました。今は亡きシュミット首相も共著者フレーザー首相も英語版を手に取られ、お喜び下さったことは、私たちOBサミットに長年携わってきた者のあり難き幸せでした。共に喜ばれた宮崎勇事務総長も、悲しいことに、今は亡き方となられました。

 英語版が出版されると、会議に出席されていた宗教指導者たちがそれぞれの言語に自主的に翻訳して下さることにもなり、ロシア語、インドネシア語、タイ語は完成し、現在はヒンドゥー語、アラブ語、中国語の翻訳が進行中です。この展開に関係者一同感動しました。

 日本語翻訳を部分的に担ってくれた朝倉久美子、上杉明美、原学、藤波庸子の諸氏に感謝しております。またオリジナルの英文出版では田崎豊子、英和双方で諸々のお手伝いをしてくれた野川智惠子両氏にも御礼申し上げます。最後に本著の出版をお引き受けいただいた朝倉書店の方々のご協力に深謝いたします。

ありがとうございました。


日本語版