Heart to Heart
心と心

 このウエブサイトは、2014年3月にOBサミットがウィーンで開催した宗教間対話の記録が主体となっています。それは2015年11月に逝去されたヘルムート・シュミット首相が提唱され、やはり2015年3月に故人となられたオーストラリアのマルコルム・フレーザー元首相と私が実現させた「普遍的倫理」に関する政治指導者グループと世界の主要宗教の指導者たちとの対話でした。会議の記録をとっておくように、というシュミット首相の提案によって、フレーザー首相と私が英文でまとめ、出版しました。それが瞬く間に7か国語に翻訳されたのです。今は亡き二人の指導者もそれを知っていたく喜ばれました。その8カ国語を世界中の可能な限り多くの人々に読んでもらえるよう努力することが、残された私の責任となったのです。 

 この本の中心的テーマは世界の主要宗教に共通した倫理規範、黄金律と呼ばれる「自分がされたくないことは、人にもしない」です。人間の行動に影響をおよぼす心のあり方です。それを公的な外交政策にも取り入れたのがOBサミットの創設者だった父、福田赳夫でした。このサイトのドメイン名は、福田ドクトリンからきたものです。 1977年にマニラで発表された同ドクトリンは、日本が軍事大国にならないこと、心と心の触れ合いで相互信頼関係を築きあげること等を誓ったのです。発表後40年近く、その政策を凌駕する優れた外交政策はありません。そこで福田ドクトリンのセクションも設けました。

 また、これらと関連して「人間の責任宣言」も22か国語で掲載しました。父が他界直前の1995年にシュミット首相に嘆願した普遍的倫理の成文化で、1997年にまとまったものです。

 世界はますます厳しく困難になっていくでしょう。そうなればなるほど、いずれの文書も重要性を増していくことを私は確信しております。

 

2016年5月 福田康夫

人間の責任

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福田ドクトリン

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意思決定と倫理

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